五つ星ホテルに
2週間軟禁されたときの話
2020年11月、コロナ禍のシンガポールに入国・居住するにあたり、2週間のホテル隔離を経験しました。
入国
シンガポールで働けることになり2020年4月コロナの最中、労働ビザを申し込んでもらいました。
その時はコロナがこんなに長期化するものだとは思えず、そのうち平常時に戻り普通にシンガポールに入国できるものだと思っていました。(武漢からの帰国組のホテル三日月のニュースもまったく他人事だと思って見てました)
しかし待っていても、状況は良くならず、ビザの引き取り期限が近づいてきてしまい、、日本からの入国には2週間の隔離の義務があったけれど、シンガポールに入国することを決意しました。
(しかたがない)


シンガポールの隔離は、コロナの影響で観光客を入れられないホテルを政府が借り上げ、隔離施設として運用されていました。
事前情報によるとその隔離施設は、5つ星ホテルも含まれていて、リッツカールトンの場合もあるし、ビジネスホテル、長期滞在者用レジデンスの場合もあるという状況でした。
どのホテルでも政府に支払う隔離費用は変わらず、また、どのホテルになるかは到着までわからないということでした。

早朝5時、シンガポール・チャンギ空港に到着し、PCR検査の結果やビザの証明などたくさんの書類を、時間をかけてチェックされた後やっと入国ができました。
ミステリーツアーの出発

早朝のシンガポールを行き先を告げられないまま出発します。
(手続きの時に教えてくれてもいいのに)
車窓をチェックしているとオーチャード、シンガポールの中心部へ。
ホテルに到着しても、もちろん正門からではなく、裏口の様なところにバスが止まりました。
人が少なく、賑わいはないけど、、なんかいい雰囲気のホテル。
\ あたり!/
✨✨グランドハイアットシンガポール✨✨

入るのは、裏口からでしたが小さなチェックインカウンターがあったりして、普段はVIPが使う入口なのかな?という雰囲気でした。
ここでも色々書類を渡されついに1人ずつ、スタッフに部屋に連れて行ってもらいます。
覚悟

係員のおじさんにグッドラックと言われて、ついに入室。部屋から一歩も出れない2週間が始まります。

部屋は広く、浴槽もあり仕事をする作業スペースもしっかりありました。(概ねラッキー!)
大きな窓があって日光を浴びることはできますが、窓が開かず空気の入れ替えはできませんでした。(ちょっと残念)
ちなみに専用の「Homer」というアプリで管理されます。毎日3回レポートの提出が必要です。

加えて毎朝、保健省から体調チェックの電話がホテルの電話にかかってきます。
ご飯の配給

部屋にはメニューが置いてあり、次の日に食べたい3食を全て前日中に決めて電話で伝えるというシステムでした。
結構なメニューの数から選ぶことが出来ました。(後で聞きましたが、どうもメニューがあったのはグランドハイアットだけの様でした。もちろんビジネスホテルでは選択肢がなく決まったご飯が配給されるし、あのリッツカールトンでもご飯のメニューはなかったそうです。)

退屈

しかし、一日中、同じ狭い景色、人とも触れ合えずどうにも退屈です。
どうにか退屈しのぎにと、ホテルにあった、なかなか乾きにくそうな肉厚のバスローブと、ええ感じのワイングラスでセレブごっこをして見ましたが、虚しいだけでした。
しかたないので、セレブになりながらMー1の準決勝(有料配信)をしっかり視聴し、その年のファイナリストたちの仕上がりをチェックしました。
プール


窓からはプールが見えました。グランドハイアットは2棟あり、全てがコロナの隔離施設ではなく、1つの棟は、通常営業しているようで、プールには朝から晩まで、いろんな人が遊んでいました。

通常営業棟からやってくる、プールで遊ぶ人々が、本当に羨ましく、毎日毎日朝から晩まで眺めていました。

誕生日を迎える
隔離のちょうど真ん中あたりに誕生日が来てしまいました。こんなに一人きりで過ごすのは初めてでした。
会社が美味しいイタリアンをデリバリーしてくれました。
とっっても美味しかったのですが、結構すでに人に会えない気分転換のできない生活に疲弊しており、孤独も積み重なっていたのか、すごく寂しかったです。


励ましてもらう日々
いよいよ寂しいのでオンラインでいろいろな方に励ましてもらいました。(本当に相手してくれたみんなありがとう😭めっちゃ楽しかった🍷)
誰も捕まらない時はオンライン英会話、ネイティブキャンプの先生に話を聞いてもらいました。ネイティブキャンプは予約不要なのでいつでも誰かと話すことができてよかったです。こんな使い方もあるなんて・・・!w
出所後に必要な家探しもオンラインで内覧を何件もしましたが、いかんせん寂しいので一番優しくしてくれたエージェントの子が紹介してくれた家に決めてしまいました。
いよいよの予感
軟禁11日目になると、ホテルから「あともうちょっと」っと、励ましのお手紙とハイアット特製クッキー🍪がとどきました。さらに、PCR検査もこのタイミングでもう一度受けます。いよいよなんだな感じてくると少し元気になってきました。
気持ちが元気になると、あのプールで泳いでみたくなってきました。いつも自由に遊んでいた人が相当うらやましかったのだと思います。
フロントに電話📞

大人一人、延泊したいのですがあいてますか?

え…?延泊??

出所
いよいよ出所の日です。お昼12時に迎えにくるからと言われいましたが、朝からずっとソワソワしていました。やっとお迎えがきて、グランドハイアット隔離棟を出所します。隔離棟は廊下もエレベーターも人がおらず(当たり前、みんなこもっている)ので、シーンとした空気でした。
私はプールで泳ぎたいがために延泊するので、その足で通常営業棟に移動します。
通常営業棟は一歩踏み入れると、かなり賑わっておりたくさんの家族連れやカップル、楽しそうなひとで溢れていました。こんなにたくさんの人間を見れてうれしい。。。「愛の不時着」を見たばっかりだったので、きっと北から南に入った4人の兵士の気持ちはこんなだろうと思いました。
嬉しい気持ちになりチェックインの後、コンシェルジュのお姉様がやさしかったので、やたらめったら隔離の苦しかった話を聞いてもらいました。。(すいません)
そして念願のプールで泳ぎました。感想はまぁまぁこんなもんかという感じです。
プールで泳いだ後は、街中をふらついたりお友達とTWGでお茶をしばいたりしました。
2週間ろくに運動をしていなかったので、たった20分オーチャードの街を歩いただけで足が痛くなり、夜には足に内出血のあざが出てきました。宇宙飛行士が車椅子で帰ってくる意味がわかったような気がしました。
隔離お役立ち情報
これから、2週間ホテルで隔離する人のために持っていったら役立つかもしれないアイテムをまとめておきます。
✅ 洗剤
✅ スポンジ
✅ 食器的な何か(コッヘル結構使えた)
✅ クイックルワイパー
✅ タブレット端末
ホテルで備え付けのワイングラスも、洗剤とスポンジがあったから毎日洗って清潔にワインを飲むことがきました。
配給の気分じゃない時はコッヘルを使ってお茶漬けを食べたりできたので、持ってきてよかったです。
掃除機はなぜか何度か「貸してくれ」とフロントに頼んだけど貸してくれなかったので、会社の方にクイックルワイパーを差し入れてもらいました。
タブレット端末はベットでダラダラオンラインコンテンツを視聴するのにちょうどよかったです。私のはiPadなのでMacbookとサイドカーにして仕事でも使えました。2画面ってやっぱり捗る。
さいごに・・・
グランドハイアット、スタッフにも励ましてもらったり、サービスもよかったり延泊してさらに実感できました。おすすめのホテルです!
シンガポールに旅行の際はぜひ、選択肢に入れてみてください〜!